Global Graphics Software
デジタル印刷のための革新的なコアテクノロジ

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ケーススタディ

HPは、2020年の初めに、商業用およびラベル/パッケージ用デジタル印刷機の新製品を発表し、イメージ品質と生産性の面で新たな業界基準を打ち立てました。これらの製品を駆動するPDF印刷エンジンがHarlequin®です。HarlequinはPrintOS Production Pro Digital Front End (DFE)の中核です。他のど のRIPソフトウェアよりも技術的に優れており、さまざまな印刷アプリケーションで生成される大量データの処理において非常に重要なコンポーネントです。また、このケーススタディでご紹介するように、HPとGlobal Graphics Softwareが長年にわたって培ってきた関係も同様に重要です。

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HarlequinがHPのデジタル印刷機に初めて採用されたのは、HP Indigo 5000のオンボードRIPとして選ばれた2002年で
した。

HPがその採用を広げるとすぐに、市場をリードするRIPに期待される性能と信頼性が実現しました。それからHPは採用をさらに広げていきました。その数年の間に、デジタル印刷の環境は急速に変化しています。新しいインクや印刷媒体の使用、バリアブルデータの増加、セキュリティ機能の搭載、加飾の導入などがあり、他にも数多くの開発が行われています。そうした状況でも、Harlequinは実績を上げてきました。Harlequinは、部品表に影響を与えることなく印刷機に データを送信して定格速度での稼働を維持したり、グラフィックデザイナやブランドマネージャの意図したとおりにアートワークをレンダリングしたりといった、比類のない能力を備えています。Labelexpo Europe 2019までに、ラベル印刷機やパッケージ印刷機から商業用印刷機まで、HPが出展したすべての製品にHarlequinが採用されていました。Harlequin駆動のDFEは、ラベル/パッケージ用の従来品よりも大幅に高速でした。

重要な事実
  • Harlequinは、HP Indigoの商業用印刷機、ラベル印刷機、パッケージ印刷機の全製品に加え、PrintOS Production Pro DFEを介するすべてのPageWide輪転印刷機を駆動します。
  • HP Indigoのラベル/パッケージ印刷機向けの 従来ソリューションと比較して大幅に高速化します。
  • 高速RIP処理で印刷機をエンジン速度で稼働させることにより、最適な生産性を実現します。
  • パートナーシップを成功させる鍵は、ロード マップを共有した緊密なコラボレーションです。

“完了したRIPをそのまま渡すだけではいけません。お客様のハードウェアで動作できるところまでサポートします。デザインプロセスと配送プロセスのパートナーとしてHPが関与することがGlobal Graphicsにとって重要なのです。”

Martin Bailey, Product Manager Harlequin RIP & CTO Global Graphics Software
高速化のニーズ

印刷機の世代が進むにつれて、より高い解像度でのより速い印刷が求められています。2020 RIPで導入された1625 dpiの印刷機では、812 dpiの従来機と比較して必要なデータレートは4倍に高まっています。Harlequinは市販最速のRIPテクノロジですが、個々のお客様に合わせて性能を微調整することも可能です。それには、サポートチームとの緊密な連携が必要です。

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どれも個性的なTony's Chocolonelyの板チョコのパッケージ。HP Mosaicテクノロジでデザインされ、HP Indigo 12000 Digital Pressで印刷されています。

完了したRIPをそのまま渡すだけではいけません。お客様のハードウェアで動作できるところまでサポートします。デザインプロセスと配送プロセスのパートナーとしてHPが関与することがGlobal Graphicsにとって重要なのですGlobal Graphics SoftwareのCTO兼Harlequin RIPプロダクトマネージャのMartin Baileyはこう述べています。

デザインプロセスと配送プロセスのパートナーとしてHPが関与することがGlobal Graphicsにとって重要です。新モデルの前の事前計画に数年かかることがあります。次期RIPバージョンへ搭載することを予定している機能セットを、前もって協議し、スケジュール、優先順位、そして実装の詳細を特定要件に適合できるように積極的に調整します。製品のロードマップを双方向で共有している場合に限り、この手順を効果的に実行できます。「プロジェクトを通して、このアプローチを継続することが重要です。これにより、Global GraphicsがRIPの設計を改善したときに、そのレベルの詳細がパートナーに提供されます」とBaileyは述べます。

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ePacがスポーツ飲料メーカーのためにサイクリングチームの ユニフォームカラーをベースに作成して賞を獲得したパウチ。 HP Mosaicでデザインされ、HP Indigo 20000 Digital Pressで印刷されています。

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HP Indigoのテクノロジを活用したユニークなアートワークの制作を紹介する特別版書籍

“最大12色の印刷と解像度1600 dpiの新しい高精細イメージングにより、データ量が さらに増加します。ナローウェブラベル向け HP Indigo印刷機でこれまで最速だった 8000シリーズと比較して、データレートは 2.25倍に高まっています。”

最大6色を120リニアメートル/分で印刷できるHP Indigo V12
お客様のニーズに合わせた最適化

DFEが正しいアーキテクチャで構築されていると、デジタル印刷機を定格速度でドライブできるレンダリングパ
フォーマンスが実現できます。課題は速度が十分なだけでは達成されたことにはなりません。本当の課題は、DFEを構築するための高価で非経済的な部品表のコストを発生させずに目標を達成することです。Global GraphicsがHarlequin RIPを超高速化、効率化したことで、HPはより少ないRIPでエンジン速度を達成できるようになりました。これに伴い、ハードウェアやオペレーティングシステム、他の関連ソフトウェアのコストが抑えられます。そして、少ないコンピュータとDFE用の少ない消費電力をもたらすので、環境にもやさしくなります。

データへの対応

HP Indigo V12は、ラベル市場のエコシステムに革命を起こそうとしています。オペレータは極めて高い生産性を実現できます。データレートの現状を示す良い例としてご紹介します。この印刷機では、6つのインラインイメージングエンジンを同時に実行して、最大6色を120リニアメートル/分で印刷できます。また、1人のオペレータで1日あたり最大130,000リニアメートルの印刷が可能です。ソフトウェアリリースごとにHarlequinの処理速度を向上させなければならない理由は明確です。

Global Graphics Softwareはまず、次世代の印刷機やワークフローに対するニーズ、改善の目的、課題がある箇所についてHPと話し合います。それに基づいて、ニーズを満たすHarlequinの新機能を設計します。仕様、API、スケ ジュールをHPと共有し、問題を的確に捉えていることを協力して確認します。これで、Global Graphics Softwareでの作業と並行して、HPも必要な要素の設計を開始できます。時間の経過とともに、より詳細な作業に進みます。Global Graphics Softwareは、納品日が近づくと、ビルドへの早期アクセスを提供して、HPが開発を始められるようにします。このプロセスを通して、HP Indigo V12印刷機を最大限に効率化するために必要な新機能がすでに利用可能になっています。 別の例もご紹介します。

2017年に、HP Indigoはラベル印刷機とパッケージ印刷機を駆動するDFEにHarlequinを統合して、Esko FlexRIPから徐々に切り替える決断をしました。新しい印刷機を導入して既存のモデルと併用する移行 ユーザーが、出力のレンダリングウエイトを一致させることができるように、緊密なコラボレーションが行われました。これは、どのHPソリューションを使用していても、規制の厳しい市場では重要な要素です。

Esko FlexRIPは他のほとんどのRIPよりもはるかに細くベクターグラフィックをレンダリングすることで知られています。そのため、Global GraphicsはHarlequin RIPに新しいレンダリングモードを追加しました。ドロップアウトを回避する特別な微調整で一致させ、極細のレンダリングが原因で微細なグラフィックが崩れるのを防止します。その結果、Esko RIPによるレンダリングとの一致に優れ、日本語の漢字などの複雑な文字でも読みやすい極小テキストのレンダリングにも優れたソリューションが実現しました。切り替えが完了し、2020年に発売されたHP Indigoのラベル印刷機とパッケージ印刷機の駆動にはHarlequinのみが使用されています。

CLOSE COLLABORATION

Baileyによると、鍵は、テクノロジではなく、個人の間に培われた緊密な関係です。

"当社は、イスラエルと米国でHPの製品管理チームやソフトウェア開発チームと緊密に連携しています。"

Harlequin RIPは、HPのあらゆるニーズを満たし、定期的なリリースで対応し続けています。当社のソリューションの能力と同様に重要なことは、当社がお客様の要件に全面的に重点を置き、お客様と積極的に共有する製品ロードマップの変更に柔軟に対応することです。

HPの説明

HP Indigoは、デジタル印刷のパイオニアであり、1993年に世界初のデジタル印刷機を発表しています。オフセット印刷に必要なプレートと設定を排除して、革命を起こしました。湿式電子写真(LEP)テクノロジのすべてのメリットを組み合わせて、強力なデジタル印刷ソリューションを構築し、幅広い品揃えのデジタル印刷機でさまざまな用途に対応しています。

デジタル印刷業界で最も多種多様なインクと印刷媒体を扱えるため、デザイナは印象的な印刷ジョブをオフセット印刷並みの品質で自由自在に作成できます。高度なカラーマッチングテクノロジにより、最初の部分から最後の部分までブランドのスポットカラーを正確に一致させることが可能です。

HP Indigoの顧客は、ラベルやパッケージ、出版物、ダイレクトメール、マーケティング用品、写真などで人々の想像力と印刷の潜在能力を結び付けて、消費者やブランドにとって有意義な体験を生み出しています。

現在、7,500台以上のHP Indigo印刷機が世界中で多数の大手印刷サービス企業に採用されています。各企業は大手パートナーのネットワークと協力して、デジタル印刷の革命を推進し続けてい
ます。